9月に入っても真夏と変わらない暑さの東山動物園。
ひと月ぶりにオオカミ達に会いに行きました。
春に新獣舎へ引っ越してもうすぐ5ヶ月になり、彼らもすっかり新しい環境に馴染んだように見えます。
その中で、一番の気がかりがジャネットでした。春先から元気をなくし、群れから離れていることが多くなっていました。元はと言えば今年の始めから繁殖制限の為に隔離されていたストレスが大きいのですが、その間に成長して強くなった?妹のノゾミとうまが合わない(オオカミですが)らしく、ノゾミに圧されて、時には噛まれたりして怪我をするようになってしまいました。

そんな経緯があって、ひと月ほど前からノゾミが別室に隔離されるようになりました。別室と言っても檻で仕切られているだけでお互いの姿は見えるのですが、接触できないようになっています。

それからは、群れから離れた場所にいておどおどしていたジャネットが、徐々に昔のジャネットに戻っていきました。尻尾を股の間に巻き込む事もなくなり、表情も柔らかくなり、兄弟とのびのびと遊ぶようになりました。


大好きな父ジャックに甘える様子。
ノゾミがいる時は近寄れなかった(寄らせてくれなかった)のに、今はこの通り。ジャックも応えます。楽しそうな表情を見ていると、こんなに変わるものかと驚きます。
ついジャネットにばかり目が行ってしまいますが、雌2頭以外のメンバーは特に変わった様子は見られません。

こちらは岩に乗るヒカル。相変わらずイケメンね。


ジャック父ちゃんは今日もヘラヘラ顔でウロウロ(ただ暑いだけ?)

いつもクールなソニア母さん。


プール大好きなマイケル。
本当に真っ黒でツヤツヤ。国内で一番黒いオオカミと言われるだけのことはあります。

ゲンキは今日も元気。

今日もみんなに転がされるティト。
オオカミの雌同士って、うまくいかないものなのでしょうか?別の園でも、姉妹を一緒にするとどうしてもケンカするので隔離している所があります。群れとうまくやっていけなくて、やむなく隔離されているパターンも。
血のつながった家族なんだから出来れば一緒にしてやりたい、と園の方も思っているでしょうが、現状では仕方がないのでしょう。
群れで暮らすオオカミですが、本来ならば子供が生まれて成長し、大人になると独立して配偶者を見つけて、新しい家族を作るのが自然の流れ。同じ親から生まれた兄弟姉妹も、いずれは独立して別の場所で暮らすので、気が合わなくても問題はないのです。
しかし動物園という環境で暮らすオオカミは、自分で住む場所を決めたり配偶者を見つける事は出来ません。特に日本では、オオカミを飼育している園は限られていて、血統的にも行き詰まっています。現在国内でシンリンオオカミを飼育している8つの園のうち、6つまでが同じ系統(血縁)で占められている状態なので、これから子供が生まれてもペアになる相手がいないという事になります。
そんな事も考えながら、誰かが犠牲になることなくやっていく方法はないものだろうか…と思うのでした。
色々考えながら本園の小獣舎前を通りかかったら、獣舎内の工事をしていました。今空いている部屋を整備して、現在非公開になっているペルシャヒョウやジャガーを移すのではないかというファンからは期待を込めた噂がたっていますが、公式の発表はまだありません。

そこで、初めてまともに観たベンガルヤマネコ。美しい!
イエネコと同じ位の大きさですが、野性の迫力を感じます。
17歳という、ネコにしては超高齢ですが、そんな事を感じさせない目力も魅力です。
今回のもう一つの楽しみは、6月に生まれたライオンの赤ちゃんに会う事でした。先月の終わりから公開されていましたが、なかなか行く機会がありませんでした。

ライオン舎前には子供の名前を投票する箱がありました。
まず、開園直後にライオン舎に行ってみましたが、全く姿が見えませんでした。オオカミ見に行って再び戻ってみたら、後ろ姿が辛うじて確認されただけ。
諦めきれず、帰る前に三たび寄ってみたら、ようやく!

親子がいる部屋と、人が見る場所の間に二重の檻があり、撮影条件はかなり厳しい(腕も悪い)ですが、辛うじて撮る事ができました。
かわいい〜!!


今回生まれたのは雄1頭、雌1頭。
この子はどちらか分かりませんが、大きな瞳がすごく印象的。
生まれて2ヶ月半になるので、もう赤ちゃんではありませんが、体には斑点があり(成長すると消える)、コロコロ動く様は本当に愛らしい。
もう少し大きくなったら運動場デビューするでしょう。その時が待ち遠しいです。
来週は狼祭のために北海道へ飛びます!また、新しい出会いがあるといいなあ。