三峰神社は、オオカミを祭神として祀り、元を辿ると1000年以上の歴史を持つ、由緒正しい神社です。オオカミを祀っているということで以前から興味があり、行きたいと思っておりました。
で、同じ埼玉県ならば、さいたま動物園とセットで行こうということになったのですが、両者は同じ県内とは言え、かなり離れており、移動も時間がかかりましたが、それも旅として楽しむことにしました。
朝、ホテルからバスの出る西武秩父駅に着くと、まだ30分以上あるのにかなりな数の人が並んでいました。座れるかなあ?と心配しながら列に加わると、私の後にも人がどんどん並んできます。そんなに人気のある所なのか?と半信半疑。結局、人の数に合わせて、3台のバスが出ました。目的地までの山道を1時間半以上立っているのは辛すぎますからね。
やっと神社のふもとに到着。遂にやって来ました三峰神社。
着いてから分かったのですが、毎月一日は、白い「気」のお札というものが出る日で、それを目当てに参拝客がやって来るらしいのです。
入口の鳥居とお犬様の狛犬。
胴体の筋肉の表現が面白いですね。
歩いて行くと、随身門という立派な門が見えてきました。
そこにいたお犬様。
神社の中は、大きな杉の木がそそり立つ静かな空間です。
さらに歩くと、本殿に続く階段が見えてきました。
階段脇にいたお犬様。
ここには沢山のお犬様(狼)の石像がありますが、作者や年代が違うので造形も顔つきも皆違います。比較してみるのも面白いです。
やっと本殿に辿り着いたのですが、お参りする人が多くて長蛇の列をなしていたので、最初に境内を見て廻ることにしました。

売店もあり、狼神社だけあって狼関連のグッズが沢山!三峰神社オリジナルのものも沢山あり、思わず散財(苦笑)。狼ラベルの秩父ワインも何種類かあり、ワイン好きとしては全種類買いたかったのですが、持って帰る体力がなく断念。
少し人が少なくなってきたのでお参りした後、「興雲閣」で昼食にしました。境内にある大きな宿泊施設で、宿泊客以外の人が利用できる温泉もあります。時間があったら入りたかった…
その後は、「小教院」へ。元は本堂として建てられた建物で、現在は改修されて喫茶室になっています。ここでは岩清水を使って淹れた本格的なコーヒーが戴けます。評判通り、美味しかったです。
何よりもこの重厚感あふれる格調高いお堂の中にいるだけで、清々しい気分になれました。
最後に、この神社の御眷属である大口真神(お犬様)を祀る、お仮屋神社へ。「御眷属(ごけんぞく)」の意味が分からなかったので調べたら、「仏や菩薩に従うもので、薬師仏の十二神将、不動明王の八大童子の類」とのこと。つまり、お犬様そのものが神ではなく、神の従者という意味で、説明文によると、その昔、日本武尊が三峰神社を祀った時に、道案内を務めたのが山犬で、その忠実さと勇猛さによって御眷属に定められたそうです。
「お仮屋神社」という名称は、御眷属であるお犬様は深い山中に身を潜めているので、ここを仮のお宮としてお参りを行なうために建てたので、そう呼ばれています。
大勢の参拝客で賑わう本殿に比べて、私が訪れた時には誰もいなくて、ひっそりとしたお仮屋神社には左右にお犬様の石像と小さな祠が佇んでいました。おまけに辺り一面、どんどん霧が濃くなってきて、とっても幻想的な風景。山の中なのでそれほど珍しい光景ではないのでしょうが、神秘的なものを感じてしまいました。ああ、来て良かった。
お参りした後に、ちょっと気が引けましたが、祠の中も撮らせて頂きました。
ご本尊の後ろに、小さな石像が沢山ありました。みなお犬様の形をしています。あちこちにあったものを集めたのか、それとも信者の人が自宅にあったものを持ち寄ったのか、定かではありませんが。
山奥の鬱蒼とした森に囲まれた神社、ニホンオオカミが生きていた頃から多分変わらない景色。ぼーっと眺めていると、今にもそこの木の影から山犬(オオカミ)が出てきてもおかしくない風景でした。太古の昔、日本武尊を導いたニホンオオカミはどんな姿をしていたのだろうか…。
そんなことを想像しながら三峰神社を後にし、再びバスに乗って山を下りました。
さて、帰るのには西武秩父からは池袋に特急で向かうのが一番手っ取り早いのですが、行きと同じルートを辿っても面白くないし、自宅とは反対の東京に行く意味がないので、西武秩父線で「東飯能」まで行き、JR八高線に乗り換えて「八王子」に出て、横浜線に乗り換え「新横浜」へ。そこから新幹線に乗って帰りました。
今回の遠征は、初日は動物園でのんびり、次の日は神社で神聖な気分に浸る、という全く違う楽しみ方ができ、とても良い一泊二日の旅でした。