ホテルから地下鉄で最寄り駅のPorte Doreeまで行き、そこから5分ほど歩いた所に動物園はあります。ここは1934年にオープンし、2008年に一旦クローズ、改装工事を経て2014年にリニューアルオープンしたもので、自然を再現した都市型の動物園ということで、どんな施設か非常に興味がありました。
因に、動物園は「ヴァンセンヌの森」の一角にあり、森の中には湖、競馬場、植物園、ヴァンセンヌ城などがあります。森全体の広さは何と995ha(1haは100m四方なのでその約1000倍!)…なんか見当もつかないのですが、この日の最後にその広さを身をもって体験することになりました。

朝から快晴の、いいお天気に恵まれました。
ここが入口。ゲートをくぐるといきなり係の人に呼び止められて荷物検査。こういう所でも調べられるとは。
その後、チケットを購入して園内へ。因にお値段は大人22ユーロ(約3000円)。日本の動物園に比べると2倍〜3倍はしますね。
園内は大きく5つのエリア(ヨーロッパ、中米、南米、アフリカ、マダガスカル)に分かれています。朝の10時くらいだと人も少なく静かで、動物もお休みしている子が多かったです。一応ルートに沿って進み、大体1周した後に見たい動物の所に何度も足を運んで、3度目くらいにやっと見られました。
オオカミ舎とオオカミ達。
ここにいる狼はスペイン・ポルトガルの一部に生息するイベリアオオカミです。小柄で毛色は濃いめ。多摩動物園にいるタイリクオオカミとよく似た風貌です。計3頭いました。
ほっそりとしていましたが、夏毛の影響もあるのでしょう。
アフリカエリアにはサイ、シマウマ、ライオン、オリックス、キリンなどがいました。この園はキリンの繁殖に力を入れているのか、キリンが10頭以上飼育されていて、赤ちゃんもいました。
シロサイとグレービーシマウマが混合展示されていました。
シロオリックス。まだ毛色が淡い茶色の子供もいました。
このウシ科の動物はアダックスと言います。初めて見ました。顔の模様とネジ曲がった角が面白い。
アフリカエリアには広い水辺もあって、ここでも初めて見る動物だらけでした。この、ハシビロコウにも似た大きな鳥はマラボー(アフリカハゲコウ)です。
こちらはクードゥー。私の大好きなネジ角系のスタイリッシュなウシさんです。
中米エリアにいたピューマ。
ぐるぐる廻って最初のヨーロッパエリアに戻ってきました。園の奥には人工的に作られた山があり、その中にも展示室があり、爬虫類などが展示されていました。
山の横にあったバードケージにはハゲワシが数羽。丸ごとの動物の肉を与えられていて、骨から肉をむしって食べていました。
ヨーロッパカワウソは餌やりをしていました。
獣舎まで行っても寝ているか隠れているかで見られず、何度目かに訪れてやっと見られた動物もいました。
Wolverine(クズリ)!熊みたいに見えますがイタチの仲間です。初めて会えたので感動!
ヨーロッパオオヤマネコのペア。一度目は耳しか見えず、二度目は寝顔しか見えず、三度目にようやく動いているところを見られました。日本では王子動物園の故グンマさんしか会った事がなかったので嬉しかったです。
見た感じ、まだ若いカップルのようでした。
そして、ここに来た以上はどうしても会いたかった、黒ジャガーのアラミス殿。神戸の王子動物園にいる黒ジャガーのアトス君の同腹の兄弟です。たまたまネットで検索していたらここParc zoologiqueにアトスの兄弟がいると知り、今回の旅の切っ掛けにもなったジャガーさんなので、どうしても会いたい、会わずに日本に帰れるか!と。
最初に来た時に見えたのはこのノーマルカラーのジャガーさん1頭だけ。もしかして交代展示かもと、昼からもう一度行っても同じ。今日は出ていないのか、もしかしたら見られないのか、と半ば諦めかけながらも最後に足を運んだら、奥の方の獣舎にそのお姿を拝見することができました!
公式サイトの画像で見た通り、アトスのように真っ黒ではなく、濃い焦げ茶色にジャガー模様が透けて見えます。期待通りのイケジャガーでした。
他にも印象深い動物に沢山会えました。このフォッサも、初めて会った動物のひとつです。
広いエリアで放牧されている草食獣を除くと、どの獣舎も不規則な自然に近い形に設計されて、動物にストレスを与えないようにしているようでした。正面はガラス張りになっている所が多いのですが、反射で中がよく見えなかったり逆光で写真が撮りづらいのは、最近の日本の動物園と同じです。獣舎内は茂みや岩や穴ぼこが多く、動物が全く見えないこともありますので、どうしても見たいと思ったら時間を変えて何度も足を運ぶ必要があります。それでも見られなかったら諦めるしかありません…
日が暮れる前にはホテルに戻ろうと思い、4時過ぎに動物園を後にしました。目の前にある湖では白鳥が泳ぎ、パリっ子達がのんびりボートで遊んだり芝生でゴロゴロしたり、秋の週末を楽しんでいました。
そして、どうせなら観光の一つもしていこうと、ヴァンセンヌ城まで行くことにしました。同じ森の一角だから、10分くらいで着くだろうと思って歩き始めたのですが、行けども行けども見えない。スマホの地図で確認しながら行ったので道は間違っていないはず。結局、30分ほどかかってようやく到着。後で距離を計ったら軽く2キロはあったのでした。ヴァンセンヌの森、広すぎる…
最初に、動物園とお城が森の一角にあると聞いて、例えれば、天王寺動物園が大阪城公園と大阪城の隣にあるという感じかと思ったら全然違いました。
王家の領地で、王様が狩りをしたくらいだから獲物となる野生動物が沢山住んでいたはず。広さが桁違いでした。
という訳で、アウトドアな一日が終わりました。明日はいよいよスイスに向かいます。