いよいよ2日間のスイスの旅の始まりです。
今回の旅行は、同じホテルに5泊してパリに4日間滞在するプランなので、中2日を使ってスイスのチューリッヒに1泊2日で行く計画を立てました。なので、不要な荷物はホテルに置いて、スイスで必要なものだけを持って行けばいいのです。
朝5時すぎに起床。スイス方面の列車が出るリヨン駅はパリの南部にあって、宿泊しているホテルのある市の北部からは、地下鉄を乗り継いでいくと30〜40分はかかるので、発車時刻の1時間程前にホテルを出ました。
地下鉄の駅はホテルのすぐ前で、ホームに降りて行ったらちょうど電車が入ってきたので乗ろうと思ったら、混んでいたせいか目の前でドアがバシャッと閉まってしまいました。あ〜、しょうがない、次のにしようと思って、ふとベンチに座った瞬間…大変なことに気がつきました!!
ホテルの部屋には貴重品を入れるセーフティーボックスがあるのですが、その鍵を閉め忘れてきた!おまけに扉を開けっ放し状態で…
ボックスの中には現金(日本円、ユーロ)や自宅の鍵、帰りの航空券の引換券など大事な物が入っているのですよ!!
そんな状態で2日間も留守にしたらどんなことになるか…大急ぎでホテルに戻り、部屋に駆け込み、開けっ放しのボックスの扉をしっかりロック。幸い、まだ朝6時台と早朝だったので、メイドさん(お掃除の人)が入る時間でなくて助かった〜!駅とホテルが近くてよかった〜
すんでの所で大失敗を回避したものの、お陰で朝から疲れました。大丈夫かしらこの先…

てな訳で予定より10分ほど遅れたものの、リヨン駅に到着。さて、私の乗るTGVはどこかな?と探しましたが、発車する5番線が見つかりません。おかしいなあと思って表示をよーく見たら、一つ下の階のようです。国際線と国内線は違う階なんですね。階段を降りて行ったらありました。今度こそ間違いないな、と乗り込み、自分の席も確認して、ようやくひと安心。

7時23分、定刻通りTGV9203号はParis Gare de Lyon(パリ・リヨン駅)を発車、一路スイスのZuerich HB(チューリッヒ中央駅)に向かいます。
窓の外は、のどかな田園風景が広がります。
因に、今回のTGVのチケットは旅行前にインターネットで予約し、座席番号や名前が書かれているチケットを自分でプリントアウトしたものを持ってきました(TGVは全席座席指定)。検札が来たらそれを見せて、印刷されているQRコードを読み取ってOK。以前TGVに乗った時は、直接現地の駅の窓口で予約しましたが、いやはや、便利になりました。
しばらくすると朝食が運ばれてきました。パリ-チューリッヒ間を走る路線は、1等車のみ座席での食事サービスがあります。朝早かったので何も食べていないし、目的地まで4時間、時間がたっぷりあるので、このサービスは有り難いです。
車内にはビュッフェもあり、パンやコーヒーなど軽い食事も買えるので、1等車以外の人はそちらを利用してもいいですね。
メニューは「甘い系」と「しょっぱい系」があり、私はハムやチーズのしょっぱい系を選びました。甘い方はチョコレートケーキやジャムが入ったパンなどのようでした。こちらでは朝から甘いものを召し上がる人も多いようです。機内食のような見た目ですが、結構美味しかったです。さすがはフランス。
3時間ほど走り、バーセルに到着。ここで大多数の人が降りて車内はガラガラに。ここからスイスになるので車内アナウンスもドイツ語メインに変わりました。
11時26分、チューリッヒ中央駅に到着!
ホームでは2日間お世話になるスイス在住のMさんが待っていて下さり、スムーズに合流。あらかじめ乗る車両をお伝えしておいたので、すぐに私と判ったようでした。
さて、ここからはMさんのご案内でWildnisparkという動物園に向かいます。駅のコインロッカーに不要な荷物を預け、Sバーン(近郊列車)とバスを乗り継ぎ、到着。
Wildnisparkは動物園というよりもサファリパークに近く、自然の山や森のあちこちに動物が飼育されている「山のサファリパーク」という感じの所でした。エリア全体がとても広くて、それぞれの動物は囲いの中にいるのですが、木の影や穴の中に入っていると見られないこともあります。このあたりはパリの動物園と一緒でしたが、こちらの方がより自然の地形そのままなので、特に小さい動物は探すのが困難。
イエネコよりも少し大きいヤマネコ。
小柄だけど立派な角を持ったアルペンアイベックス。
狼のいる所は、少し高い位置から見おろすようになっています。木立の中に点々としているのが見えますが、かなり距離があるので、望遠レンズがないと厳しい。檻などがなく見られるのはいいのですが。
因に、ここにいるのはルーマニアのカルパティア山脈にいたパック(群れ)です。種類はタイリクオオカミの中の、俗にCarpathian Wolfと呼ばれる狼です。
カルパティアウルフは初めて見ましたが、毛色はシンリンオオカミのように白、黒、灰色、茶色などが混ざっていて、個体によって違います。体格はシンリンよりも小柄でした。昨日見たイベリアオオカミより少し大きく感じましたが、標準的なタイリクオオカミの体格かなと思いました。
あまり長時間観察していなかったので、群れの順位などは分かりませんでしたが、常に尻尾を巻いている個体や、夫婦と見られるものを確認しました。
顔立ちは、なかなかのイケメンが多かったです。
少し遅めのお昼は、園内のレストランで「ワイルドバーガー」という大きなハンバーガーを頂きました。このハンバーグに使われているのは園内で飼育されている動物(ダマジカやアカシカ)の、余剰個体の肉です。やや硬めですがお味はまずまず。
これは、現在このパークにいる動物の数(大人オス、大人メス、子供)の数を示したものです。
Wildnisparkの周辺は、これぞスイス!という感じの美しい景色が広がります。まさに、アルプスの少女ハイジの世界。
広大な自然の中を歩くのは楽しいですが、山なので起伏があるし凸凹道だし、体力もそれなりに必要になるので、日頃の運動不足が堪えます。
遥か遠くに見える、雪を頂いた山が美しい。
橋を渡った道路の向こう側の敷地内にはこんなものもありました。旧石器時代の洞窟遺跡です。ラスコーの洞窟画のような絵は後で描かれたものだそうです。
アカギツネ。こっちを向いてくれましたが草にピントが合ってる(T T)
ヨーロッパバイソン、モウコノウマなどが放牧されていました。ヨーロッパバイソンはアメリカバイソンに比べて少し小柄で、子供もいました。
そして、どうしても見たかった動物の一つ、ヘラジカ!世界最大のシカです。ここには何箇所かに分けて5頭が飼育されていました。
こちらは母と子のヘラジカ。母親は水に浸かっていて、子供はさかんに草を食べていました。よく見ると子供は前足を折って膝?をつくような姿勢で草を食べています。足がとても長いので、この方が楽なのでしょう。
何とも言えないのほほんとした顔立ちがたまりません。
他にも、「ネズミ小屋」と呼ばれる、農家の納屋や台所を再現した小屋の中で、ハツカネズミやオオヤマネを飼育している施設がありました。写真がうまく撮れずに残念。
帰り際に見た、ダマジカの群れ。ダマジカは群馬サファリで見たことがありますが、ここの群れの中には2〜3割ほど、毛色が白いものがいます。シカで白い個体を見たのは初めてでした。何だか神聖な感じがします。
沢山の動物達に会えて、美しい景色も見られて、何よりもお天気に恵まれて、本当に楽しい一日でした。オオヤマネコとアルプスマーモットとクマには残念ながら会えませんでしたが、これも運。またリベンジしたいです。
再びSバーンに乗ってチューリッヒ駅に戻り、荷物を取り出して、予約してあるホテルに向かいました。ホテルまでMさんが付いて行って(連れて行って)下さり、今日一日最初から最後までお世話になりました。どうもありがとうございました。